トピックアウトライン
はじめに
アナリティクスとは
「GAを使って最適化しました」
analytics? analysis?
tactics
Moodle(ムードル)
国内大学でトップのシェアを持ち(https://axies.jp/ja/ict の2015年度調査結果)、世界230カ国に1億人超のユーザがいると推定されるオープンソースLMS(Learning Management System)。オンライン教育を実施するためのプラットフォームとして代表的なものの一つ。GPLでの配布。
Moodle上で学生の進捗状況を追跡する
評定(グレードブック)
活動完了
アナリティクス
など
Moodleアナリティクスのドキュメント
- MoodleDocs : アナリティクス, https://docs.moodle.org/3x/ja/アナリティクス
- MoodleDocs : アナリティクスの使用, https://docs.moodle.org/3x/ja/アナリティクスの使用
- MoodleDocs : アナリティクスの設定, https://docs.moodle.org/3x/ja/アナリティクスの設定
- MoodleDocs : 脱落リスクのある学生, https://docs.moodle.org/3x/ja/脱落リスクのある学生
(以下、開発者向け)- MoodleDocs : Analytics API, https://docs.moodle.org/dev/Analytics API
- MoodleDocs : アナリティクス API (Dev docs), https://docs.moodle.org/3x/ja/アナリティクスAPI (Dev docs)
Moodle アナリティクスの利用方法
図1: サイト管理/アナリティクス
標準的に準備されているモデル
図2: 標準的に準備されているモデルMoodle 3.9 (LTS) や Moodle 3.10 に標準的に同梱されている、アナリティクスのモデル:
- 「まだコースにアクセスしていない学生」は、コースを開講しているが、1 回もアクセスしていない学生が誰なのかを知ることができる。
- 「リスクのあるコース未開始」は、例えば、あと一週間でコースが開始する時期なのにまだ何にもコンテンツを作ってない状況を検知するものである。つまり、学生の状況を知るのではなく、教師が準備を何もして ない危惧すべきコースがあることを知るためのモデルである。
- 「最近コースにアクセスしてない学生」は、今までにアクセスはしたが、過去1か月に1回もアクセスしていないような学生がいる場合に検知できる。
- 「脱落リスクのある学生」は、Community of Inquiry (探求コミュニティ) モデルに基づき、学生のコースでの活動状況から、Moodle コースを修了しない(脱落する)リスクのある学生を予測する。「脱落する」の定義は、「コースの最後の四半期に活動がない」こと。
- モデルには、
- 指標(予測に用いる独立変数)
- ターゲット(予測しようとしている結果)
- 洞察(予測結果そのもの)
- 通知(洞察の結果として送信されるメッセージ)
- アクション(メッセージの受信者に提供される)
- モデルには、
モデルでの操作
- 図3: モデルの洞察でコース名を選択
図4: 洞察
図5: 洞察でユーザを選択
図6: 選択したユーザにメッセージ送信
図8: 洞察レポートを選ぶ
図9: 洞察レポート
機械学習ベースのモデルに対する操作
- 「脱落リスクのある学生」のように、機械学習の処理を伴うモデルは、システムに大きな負荷をかけることがあるため、初期設定では、無効になっている。
- 有効にする際に、「分析間隔」を指定する。
- 「分析間隔」は、洞察を生成するためにモデルを実行する頻度と、各生成サイクルに含まれる情報の量を制御するパラメータ。
- 例えば、「前のすべての4分割」(All previous quarters)を選んだ場合は、コースの開始日から終了日まで (例えば半年間)を4つに割って、第1クォーター、第2クォーター、第3クォーター、第4クォーターに分けて、それぞれの期間で学生がどういう頻度で、どの活動をしたかなどのデータを(時々刻々のデータではなく)クォーターの単位で集計して推定に使うことになる。
- 適切と思われる「分析間隔」を指定し、モデルを有効したら、その後にアナリティクスの定期処理(通例、1日に1回)が行われた段階で、洞察が生成され、教師が学習者サポートに利用できるようになる。
モデルの作成
- 「分析モデル」の画面上の「新しいモデル」メニュー内の「モデルを作成する」を選ぶと、独自のモデルを構成することができる。コンテキストの設定で、どのコースを対象にするかを指定できる。(既存のモデルでも)
図10: モデルを作成する- ターゲット(何を予測したいか)、指標(どのデータに基づいてい予測するか)、分析間隔などを選択肢から選んで、自分のモデルを作ることができる。
- 選択肢に存在しないターゲットや指標を用いたいときは、アナリティクス API に準拠して別途コーディングする必要がある。
モデルのエスクポートとインポート
- 機械学習によりトレーニングして構築したモデルは、 ファイルにエクスポートすることが可能である。
- それを別のMoodle サイトにインポートして、すぐに(モ デルをトレーニングする手間もなく)予測に利用することができる。
CLI コマンド実行の方法
- アナリティクスの処理は、CLI コマンドではなく、ウェブインターフェイスでも実行可能だが、実際に運用している Moodle で多くの ユーザやコースがある場合では、計算負荷や計算時間が大きくなりすぎる恐れがあるため、いつでも実行停止できるコマンドラインでの実行が無難。