ARグラス、人工知能、LAの発展によるARの可能性
現状の段階では,ARの教育利用は爆発的普及段階ではないかもしれません。
でも,ARグラスが普及すると、端末を介する必要なく見るだけで物体や情報が表示されるという点でより利用しやすくなりそうです。ARグラスとしては現在、下記のものが販売されており、スマートフォンを埋め込んで利用するだけのものもあれば、Microsoftが出したHololensのような高価なものもあります。
実機解説:新型ARグラス「HoloLens 2」に見るマイクロソフトの野望
ARグラスを利用するとどのように変わるのか、具体的なイメージは下記で確認できます。
Youtube動画:HoloLens 2 AR Headset: On Stage Live Demonstration
また、人工知能やLA(ラーニングアナリティクス)とARを掛け合わせると下記のような利用可能性が出てきて、教育の標準インフラになる可能性もありそうです。
ARグラスをつけて博物館の展示品を見ると,事前に取得されたその人の興味や理解度に関するデータを元に、その展示品に関する最適な解説や関連作品がARとして表示される.
何らかの作業をするとき,その人が陥りそうなミスをするタイミングで説明やチェックリストをARグラス上で表示する.
実際に、Google Glassと機械学習(人工知能の手法の一つ)を組み合わせた下記のような事例が既にあります。
Intelligent Context-Aware Augmented Reality to Teach Students with Intellectual and Developmental Disabilities
Christopher Reardon, Rachel Wright, David Cihak, Lynne E. Parker
Proceedings of the Twenty-Ninth International Florida Artificial Intelligence Research Society Conference, 2016
http://web.eecs.utk.edu/~leparker/publications/Reardon-FLAIRS-2016.pdf
この研究では日常生活に困難を抱える知的障害や発達障害を抱える生徒が将来自立できるようにするための学習の一環として、ARを利用しています。
例えば生徒が付けているGoogle Glassを経由してプリンタの写真を撮ってウェブサーバーへ送ると、人工知能を利用してそのプリンタの使用方法に関するインストラクションがARとしてGoogle Glass越しに表示されるというものです(Figure1や2を見ると、具体的な利用の流れがわかります)。
他にも過去に開発されたARアプリ「セカイカメラ」も、これからの最新技術を利用すれば、ユーザーにパーソナライズされた情報のみを提示することができ、大人気のアプリとなっていたかもしれません。